中学校2年生のJさんには夢がありました。
少し前にあるイベントで見た、ある高校の吹奏楽部の演奏が忘れられず、どうしてもその一員になりたいという夢です。
中学校ではハードな吹奏楽部の活動のため、あまり授業に身が入りませんでした。
気づけば「何が分からないのか分からない」という状況に陥ってしまい、5教科合計で100点に届かない日々。ストレスからか体調も優れず、目標の高校がどんどん遠くに行ってしまうようで、落ち込んでしまいます。
家庭教師に来てもらっても、大手チェーン店の塾に通っても、何も変わりませんでした。それどころか、部活のために日程が取れないと言ったはずの季節講習を強引に入れられてしまい、お金だけはどんどん払わされることに。それでいて、個別のカリキュラムとして用意されたものは小学生レベルの分数の足し算引き算。「バカにされてるみたいでいやだった」と悲しげにつぶやいた表情が今でも忘れられません。
2年生の一学期、期末テスト直前のある日、お母さんがネットで見つけた小さな塾を訪れることになりました。
体験期間中に迎えた期末テストは、残念ながら数学で0点を取ってしまうなどあまり良い結果ではありませんでしたが、塾長の指導に従って週に5回の通塾を一生懸命こなした結果、少しずつ分かることが増え始めました。
迎えた2学期の中間テストでは、苦手な数学で35点を取ることができて、ようやく暗いトンネルの向こうに光が見えた気分です。今まで失っていた自信を、ついに取り戻したのです。このまま高校受験まで、この塾で頑張ろうと決心しました。
志望校の体験授業やレッスンにも積極的に参加しました。この時期にたまたま志望校の先生と知り合うことができた塾長は、先生から「楽器のほうは十分ですのであとは勉強のほうをお願いします」というお言葉をいただきました。
2年3学期、3年1学期と少しずつではあるものの前進し続けましたが、推薦入試の基準にはほんの少し届きませんでした。ところが高校の先生のほうから、楽器の練習も勉強もよく頑張ったということを認めていただき、基準を少し緩和して推薦入試を受けられることになりました。2019年8月31日のことでした。
現在は高校で音楽の勉強を頑張っているJさん。
塾長も隔週土曜日に音楽理論やコード(和音)の基礎知識の講座を行い、違った形でのサポートを今でも続けています。
(2022年2月、塾を卒業することになりました。夢に向かって頑張るJさんを塾長はずっと応援し続けます。)