前回に引き続き社会科っぽい話ですが、今回は非常に身近で個人的なことから書き始めます。
私の義姉は旧姓O(※プライバシー保護のためイニシャルにしています)といって、江戸城築城などの功績で知られる太田道灌の子孫です。(※早くもプライバシー保護に失敗しました)
そして私の家の近所には「三貫清水緑地」という場所があります。その名のとおりきれいな湧き水や雑木林や湿地が広がっている、住宅街のすぐ近くにありながら自然を感じられる素敵な場所です。
この三貫清水という名称は太田道灌に由来しているそうです。
その昔、このあたりに狩りにやってきた道灌に、土地の人が清水を汲んでお茶をたててもてなしたところ、道灌はそのお茶をたいそう気に入って、三貫文の褒美を与えたそうです。
三貫文は今の価値で50万円とのこと。
お茶を飲ませた程度で急に「50万円あげる」と言われても、逆に困るぐらいの金額です。
「さいたま市面白カルタ」(なにそれ)にも題材として取り上げられており、読み札は
「名水に 道灌ポンと 50万」
と身も蓋もない感じになっています。
なんかそこだけ強調されると、むしろあまりまともな人物じゃないみたいで、印象が良くないような。
ちなみに子孫(義姉)は
「ネスカフェに 義姉さんポンと 50万」
という具合にご褒美をくれるようなおかしな人物ではありません。ちぇっ。
それはともかく、私とは姻戚関係でもはや他人とは言えない太田道灌さんといえば、やはり築城の名人としておなじみの人物です。
有名な江戸城のほかにも川越城などを築城しており、こんなところにも埼玉県との縁を感じます。
現在、江戸城の天守を復元しようという構想があるようです。2020年までに復元が完了すれば、オリンピック期間中も含めて、外国人のお客さん向けの大きな観光の目玉になるかもしれません。もちろん国内からの観光客も増えるでしょう。
実現すれば、私にとっても他人事ではありません。
「あの城、ボクの親戚のオジサンが作ったんスよ」
と観光客の皆さんに自慢できる日が、今から楽しみでなりません。
皆さん、社会好きですか?
歴史や地理を勉強するあの科目です。
私が中学校のころにいちばん嫌いだった科目は何かと考えると、第一候補はもしかしたら社会かもしれません。
そんな社会ですが、大人になってから少し面白さがわかるようになってきたような気がしています。
塾を始める際に、候補の物件の付近の様子を、地図を使ったり歩いてみたりして、色々と調べたのですが、佐知川のあたりで一際目を引いたのが、青葉園という公園墓地と、大宮西小学校の隣にある太陽光発電所でした。
青葉園は日本初の民営の公園墓地だそうです。日本初とはすごいですね。
そして、道路事情などから墓地として利用しにくい土地を、公共性を優先して太陽光発電所として使用しているそうです。
なるほど、墓地と発電所は同じところが運営してるんですね。
「公共性」というのは、やはり東日本大震災と、それに続く電力供給の問題と関係があるんでしょう。
マレーの虎こと山下奉文(ともゆき)陸軍大将のお墓があるというのも驚きでした。と言うよりも、山下大将のお墓を作ったことが青葉園の始まりらしいです。
皆さんご存知かどうか分かりませんが、映画評論家の水野晴郎さんが、自ら監督主演を勤めた映画「シベリア超特急」の主人公が、この山下大将です。
私もあまり詳しいわけではありませんが、映画の主人公になるような人物のお墓が、すぐ近所にあるなんてなんかすごいです。
どんな場所にも歴史があります。
ほんの少し歩いただけで、日本初の施設や歴史上の人物のお墓にも行けたりします。
環境に配慮したクリーンエネルギーへの取り組みも、現代ならではの社会情勢と密接な関係があります。
まずはご近所から、少し興味を持ってみませんか?
自分が「社会」の中で生活していることを、ちょっとだけ実感できるかもしれません。
いつか書こうと思っていたことを書きます。
前回のブログを書いていて思い出しました。
国語の話です。
そしてテストの話です。
国語のテストには基本的に二つの長文が出てきます。小説と評論文(説明文)です。
評論文はどこかの立派な人が書いたような、立派な感じの文章であることが多いです。
その内容はたとえば
産業の発達の裏側で、人間は廃水を海に垂れ流し、工場の煙は空気を汚し、花は枯れ、大地はひび割れ・・・・(以降、人類の環境破壊の歴史が紹介されておしまい)
ごめんなさいぼくが悪かったです、と言いたくなるようなものだったりします。
そしてこのような文章に対して
「次の文の中から本文の内容に合っているものを選びなさい」
という問題が出たりします。
選択肢はコチラ
1、産業の発達はとても良いことなので、環境破壊は仕方ない。
2、地球は人間だけのものではないので、環境の破壊はあってはならない。
3、私たちの子孫の未来のためには、産業の発達よりも環境の保護を優先させるべきだ。
4、産業の発達と引き換えに、人間は環境を破壊している。
一つずつ考えてみましょう
1に関してはさすがにね。馬鹿かキミはと。読めば分かるだろうと。逆、逆。
2はいいね。「地球は人間だけのものではない」なんてところが特に立派でいい。
3もまあまあいいね。なかなか見所あるよ。2ほどではないが立派です。
4は・・・え?何ですかこれ。そのまんまじゃないですか。ちゃんと読みました?
というわけで最高に立派な2を選びます。学校みたいな立派なところの、テストみたいな立派なものに出てくる、立派な方が書いた立派な文章ですから。
とか考えてるとハズレます。
この場合正解は4です。「そのまんま」を選ぶ問題なんです。
ほかにも「農家の数が減っている」という内容の文章の場合、正解は「農家の数が減っている」だし、「ゴリラは強い」という内容の文章の場合は「ゴリラは強い」が正解です。
本文に書かれていないことまで含んでいる選択肢は、全部ハズレです。
なんとなく「農業は国の根幹をなす大事な産業なのだから、決して衰退させてはならない」とか「力と力のぶつかり合いこそが躍動する生命の本質である」とかを選びたくなりますよね。気持ちは分かります。
でも気持ちは関係ないんです。
読んでてどう思ったかは全然関係ないんです。
立派なことを言っている文章に違いないと思い込んで、実際には書かれていないことまで勝手に補って、ありもしない「立派な結論」を読んだように錯覚してしまうのは、自分で自分を罠にかけているようなものです。
立派な選択肢にだまされるのは、もうやめましょう。
国語のテストの問題で
「次の選択肢の中から、本文の内容に最も近いものを選びなさい」
というパターンの問題があります。
選ぶべきは「最も近いもの」であって、当然ですが本文そのものではありません。
つまり「似ているけど違うもの」の中からいちばんマシなものを選ぶ問題です。
この場合には消去法は使えません。
たとえば「福山雅治そっくりコンテスト」が開催されたとします。
出場者は4名。
エントリーナンバー1、さいたま市西区佐知川 さいとう学習教室 塾長 齋藤大介くん
エントリーナンバー2、さいたま市立大宮西小学校 1年生 A山A太郎くん 7歳
エントリーナンバー3、さいたま市立馬宮中学校 教員 B島B子さん 34歳
エントリーナンバー4、さいたま市三橋老人会 代表 C川C彦さん 88歳
仮にA太郎くんやB子さんやC彦さんが、驚くほど福山雅治さんにそっくりだとしても、消去法を使うことで結果をどうにでも操作できます。
「子供だから違う」「女性だから違う」「お年寄りだから違う」などの理由で選択肢を除外していけば、残った塾長が優勝です。やったね。
本物ではない以上どこかしらは違うのですから、どの理由から順に落としていくかを変えれば、簡単に結果を変えることができてしまうのです。
もちろん正反対の内容だったりするもの(「福山雅治そっくりコンテスト」でいうところの塾長など)は、最初に除外してもいいです。
でも消去法っていうものは、使いどころを間違えると大変なことになるということを、頭に入れておいてください。